宝塚歌劇団には、5つの組があります。
では、組ごとに【特徴】や【違い】ってあるのでしょうか?
実は・・・かなりあるのです!
ただ、5つのグループに分かれているわけではありません。
そこで、今回は
「5つの組の特徴は?」
「どんな雰囲気の違いがあるの?」
「組ごとに序列やランクがあるって本当?」
など、宝塚の【組】に関する疑問を一気に解決しちゃいます!
さっそくはじめましょう!
目次
宝塚にある5つの組
前述のとおり、宝塚歌劇団には5つの組があり、順番に公演を行っています。
公演期間は、宝塚大劇場と東京宝塚劇場でそれぞれ1か月強行います。
本公演以外に、
◆全国の劇場を1~3日ずつまわる【全国ツアー】
◆都市部(東京・大阪・名古屋・博多など)の劇場で公演を行う【地方公演】
もあります。
それぞれの組には、トップスター(男役)と娘役トップスターは1人ずついて、特徴を生かしながら公演を行います。
では、5つの組の特徴や雰囲気の違いを見ていきましょう!
花組の特徴は?
花組は1921年、生徒の増加にともない2組に分かれました。
1班が「花組」、2班が「月組」とされたことから、宝塚でもっとも古い組と言われています。
そんな花組の特徴を見てみましょう
◆5組の筆頭の組
◆男役がとにかくキザる
◆男役が娘役を普段から誉めちぎる
◆このような習慣から組替えなどで他組に行くと最初はチャラいと思われることがある
◆5組の筆頭であるため、宝塚に入ったら花組の男役・娘役になりたい!と思う受験生や音楽学校生が多い
◆各組トップスターは花組出身者が多い傾向がある
宝塚で5組並べるときは「花・月・雪・星・宙」の順番が基本です。
この順番が入れ替わることは、まずありません。
本の掲載や5組がそろうタカラヅカスペシャル、運動会の入場行進など、どのイベントごとをとっても、すべて花組が1番最初です。
宝塚の代表的な組であると言える花組ですので、花組の生徒たちは「自分は花組生である」ということに強い誇りを持っています。
花組の歴代トップスター
宝塚80周年以降の花組トップスターです。
安寿ミラ(1991年11月30日~1995年5月5日)
真矢みき(1995年5月6日~1998年10月5日)
愛華みれ(1998年10月6日~2001年11月11日)
匠ひびき(2001年11月12日~2002年6月23日)
春野寿美礼(2002年6月24日~2007年12月24日)
真飛聖 (2007年12月25日~2011年4月24日)
蘭寿とむ(2011年4月25日~2014年5月11日)
明日海りお(2014年5月12日~2019年11月24日)
柚香光(2019年11月25日~)
さらに花組出身のトップスターも大勢います。
姿月あさと(元宙組)
真琴つばさ(元月組)
香寿たつき(元星組)
紫吹淳(元月組)
朝海ひかる(元雪組)
瀬奈じゅん(元月組)
霧矢大夢(元月組)
壮一帆(元雪組)
朝夏まなと(元宙組)
望海風斗(元雪組)
月組の特徴は?
1921年、生徒の増加にともない2組に分かれた2班が「月組」となりました。
そんな月組の特徴を見てみましょう!
◆スタイリッシュで個性的なトップスターが多い
◆『ベルサイユのばら』『風と共に去りぬ』『ミーアンドマイガール』など、その後も再演されている伝統的な作品の初演が多い。
◆若いトップスターが多い傾向がある
◆男役の稽古着はチェック柄が多い
◆役替わりさせたり、ペアのように扱う傾向が強い(龍真咲&明日海りお、凪七瑠海&美弥るりか、朝美絢&暁千星など)
5組の中でも、月組はもっとも「我が道をいく」スタイルを貫いているように見えます。
また、若くしてトップスターになる傾向は、言い方を変えれば学年を飛び越えてトップへ就任させる歴史があるということ。
よって、そのトップスターの後任が上級生という場合もありました。
宝塚は基本的に学年順にトップスターへ就任するのが基本なので、月組の人事には「おっ!?」と驚かされる宝塚ファンも多いでしょう。
月組の歴代トップスター
宝塚80周年以降の月組トップスターです。
天海祐希(1993年8月1日~1995年12月26日)
久世星佳(1995年12月27日~1997年4月30日)
真琴つばさ(1997年5月1日~2001年7月2日)
紫吹淳(2001年7月3日~2004年3月21日)
彩輝直(2004年3月22日~2005年5月22日)
瀬奈じゅん(2005年5月23日~2009年12月27日)
霧矢大夢(2009年12月28日~2012年4月22日)
龍真咲(2012年4月23日~2016年9月4日)
珠城りょう(2016年9月5日~2021年8月15日)
月城かなと(2021年8月16日~)
宝塚の歴代トップスターでもっともスピード出世と言われた天海祐希さん。
続いて珠城りょうさんが2番目にトップ就任が早いので、2人とも月組ということになりますね。
さらに、 天海祐希さん、真琴つばささん、紫吹淳さんなど、TVでよく見かける方の名前が多いと思いませんか?
退団後もTVの世界で活躍の場を広げられる、個性的なトップさんが多いのもうなづけます。
雪組の特徴は?
雪組は、宝塚大劇場ができた1924年に設立されました。
そんな雪組の特徴を見てみましょう!
◆【芝居の雪組】と言われるほど演技派・実力者が多い。
◆【日本物・時代劇】に定評があり、殺陣や所作が素晴らしく、美しい。!
◆男役はマイ袴、娘役はマイお引きずりを持っている
◆5組の中で、比較的ゆるめの雰囲気が漂う
◆『エリザベート』の初演を行った
◆『るろうに剣心』『ルパン三世』などコミック作品の舞台化で、忠実な再現力が評価された。
◆歌唱力に優れたトップスターが多い(一路真輝、高嶺ふぶき、望海風斗など)
雪組は、月組とはまったく異なるタイプの「我が道をいく」タイプの組と言えるでしょう。
また、比較的のんびりした雰囲気で「じっくり育つ」という特徴を持っています。
宝塚の中でも独立性の高い組でもあり、組替えなどの異動は少ない傾向と言えるでしょう。
雪組の歴代トップスター
宝塚80周年以降の雪組トップスターです。
一路真輝(1993年4月1日~1996年6月30日)
高嶺ふぶき(1996年7月1日~1997年7月30日)
轟悠(1997年7月31日~2002年2月11日専科へ異動)
絵麻緒ゆう(2002年2月12日~2002年9月23日)
朝海ひかる(2002年9月24日~2006年12月24日)
水夏希(2006年12月25日~2010年9月12日)
音月桂(2010年9月13日~2012年12月24日)
壮一帆(2012年12月25日~2014年8月31日)
早霧せいな(2014年9月1日~2017年7月23日)
望海風斗(2017年7月24日~2021年4月11日)
彩風咲奈(2021年4月12日~)
美人揃いの宝塚においても、雪組の歴代トップさんたちは美しい方が多いですね。
日本物が似合う端正の顔立ち、身のこなしは宝塚一と言えるでしょう。
華やかでスター性があるというよりも、着実に一歩ずつ進んでいくという印象が強く、結果的に実力者が揃っていくように感じます。
安心して観ることができ、個人的には初めて宝塚を観る人を連れていくなら、雪組がおすすめです。
とはいえ、現トップスターの彩風さんは高身長でスーツが似合う「映え系」トップさんですので、新しい雪組を開拓していくのではないかと期待しています!
星組の特徴は?
星組は1933年に創立。一時、廃止されるも1948年に復活した組です。
そんな星組の特徴を見てみましょう!
◆カリスマ性&存在感のあるトップスターが多い。
◆一本物の作品が多い
◆『スカーレット・ピンパーネル』『王家に捧ぐ歌』の初演を行った
◆生え抜き(組替えしないその組育ち)のトップスターが多い
◆5組の中で比較的厳しく、言いたいことを言い合う雰囲気がある
◆ユーモアセンスのあり、トークが面白いトップスターが多い(安蘭けい、紅ゆずるなど)
◆アドリブが多め
星組の歴代トップスター
宝塚80周年以降の星組トップスターです。
紫苑ゆう(1992年4月1日~1994年12月26日)
麻路さき(1994年12月27日~1998年11月23日)
稔幸(1998年11月24日~2001年10月1日)
香寿たつき(2001年10月2日~2003年3月23日)
湖月わたる(2003年3月24日~2006年11月12日)
安蘭けい (2006年11月13日~2009年4月26日)
柚希礼音(2009年4月27日~2015年5月10日)
北翔海莉(2015年5月11日〜2016年11月20日)
紅ゆずる(2016年11月21日〜2019年10月13日)
礼真琴(2019年10月14日~)
カリスマ的な人気の高さが目立つトップスターが多い傾向にあります。
紫苑ゆうさん、湖月わたるさん、安蘭けいさん、柚希礼音さんなど宝塚の中でもムーブメントを起こす力を持ち合わせているトップさんですね。
情熱的で、ストイックな傾向が強く、自分にも他人にも厳しいトップスターが多いため、昔から星組は体育会系と言われています。
舞台にも、そんな星組の雰囲気は味わうことができ、特にショーは「濃く」「激しい」「活気がみなぎる」イメージがあります。
宝塚にハマるきっかけは星組だったというファンも多いのではないでしょうか。
宙組の特徴は?
宙組は1998年に設立された宝塚でもっとも新しい組です。
宝塚で新しい組が誕生するのは本当に久しぶりのことでしたので、大きな話題となりました。
東京宝塚劇場が新しくなったことと、5組制になったことで、宝塚は通年で公演を行うようになりました。
そんな星組の特徴を見てみましょう!
◆長身でスタイル抜群
◆コスチュームものが似合う
◆食欲旺盛で名前を書いていない食べ物は必ず誰にか食べられる
◆雪組同様、比較的ゆるめな雰囲気
◆コーラス・アンサンブルに定評がある
宙組の歴代トップスター
歴代の宙組トップスターです。
姿月あさと(1998年1月1日~2000年5月7日)
和央ようか(2000年5月8日~2006年7月2日)
貴城けい(2006年7月3日~2007年2月12日)
大和悠河(2007年2月13日~2009年7月5日)
大空祐飛(2009年7月6日~2012年7月1日)
凰稀かなめ(2012年7月2日~2015年2月15日)
朝夏まなと(2015年2月16日~2017年11月19日)
真風涼帆(2017年11月20日~)
長身揃いで有名な宙組ですが、このように歴代トップスターを並べてみると、ほぼ全員が驚異の170cm以上!!(大和悠河さんは169cm)
新しい組だけあって、現代的でおしゃれなトップスターが多い傾向があります。
まだ生え抜きでトップスターに就任したスターはいない組ですので、誰が一番最初の生え抜きとなるかにも注目が集まっています。
まだ少し先のことになるでしょう。
組の序列やランクはあるの?
ここまで5組それぞれの特徴や雰囲気についてみてきました。
では、5組の中で序列やランクがあるのでしょうか?
結論から言うと、組ごとの序列やランクはありません。
ただ、トップスターの任期が通常3年ですが、組の顔であるトップスターによって人気、不人気などがあるのは当然のこと。
人気が出るとランクが上がるわけではありませんが、注目度の大小は当然あります。
さらに、注目される組=人気のある組=チケットやグッズが売れる組という構図になりますので、当然作品のかけられる予算などは変動があるでしょう。
公にはされませんが、新調される衣装の数であったり、人気の出そうな演目の割り振りなど、組ごとの予算があるでしょうから、ファンには見えない部分での差というのはおそらく存在するでしょう。
ただ、どんなにトップが人気があったとしても、その組が他の組よりランクや序列が上ということは一切なく、上演日数が増えるなど特別な扱いを受けることはありません。
あくまで5組はすべて平等というのが、宝塚の基本です。
まとめ
ここまで5組の特徴とランクや序列はあるのかという疑問について考えてきました。
まとめると・・・
◆「宝塚」と一言で言っても5組それぞれには大きな違いがある!
◆組の序列やランクがついているのではなく5組は平等
◆ただし、ファンに見えない部分(予算や公演)などでは人気の有無が影響している可能性は考えられる