宝塚が他の劇団と大きく異なる部分の1つに、在団者を【生徒】と呼び、その成長を見守るという側面を持ち合わせた劇団だということが挙げられます。
新人公演もその1つ。
入団年数の浅い新人だけで、本公演とまったく同じ作品を演じる新人公演は、宝塚の伝統であると同時に、生徒自身にとっても、ファンにとっても非常に重要な公演です。
新人公演には、実はちょっとディープな宝塚の楽しみ方があるんです。
今回は、宝塚の新人公演について徹底的に深掘りしていこうと思います。
さっそくはじめましょう!
目次
宝塚の新人公演で将来のスターが分かる!?
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宝塚の新人公演を一言で言うと・・・
新人だけで本公演と同じ演目を演じる公演
劇団員であると同時に、生徒でもある宝塚の出演者は、最初から完璧な舞台人ではありません。
そんな生徒たちの「成長の場」として用意されている【新人公演】は、トップスターをはじめ、数々の上級生たちが演じている役と同じ役を演じ、同じ歌を歌い、同じダンスを踊る。
オーケストラもすべて通常と同じ「生演奏」です。
下級生にとって度胸がつく場でもあり、実力をアピールできる絶好の機会!
また、わたしたち宝塚ファンにとっても新人公演は大切です。
通常の公演では、セリフや歌など見せ場が少ない下級生の中に、「どんな将来有望な生徒がいるのか」を見つけることができます。
まさに、劇団関係者、ファンともに「新人発掘の場」なのです。
また、新人公演で主演を務めた生徒は【将来のトップスター候補生】として注目される存在となるだけに、宝塚の新人公演は絶対に見過ごすことができない重要な公演なのです。
ここからは、新人公演の「決まり」をご紹介しましょう。
新人公演に出演できる生徒
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宝塚の新人公演に出演できるのは、入団7年目までの生徒だけです。
宝塚では、入団年数が分かるように呼び方があります。
それが【研究科〇年】という呼び方。
略して【研〇】と呼ばれ、入団1年目は研1、2年目は研2と言います。
新人公演は研7(研究科7年)までの生徒が出演し、研7の生徒たちは公演の最上級生として、自分の役を演じるきるだけではなく、1つのカンパニーをまとめる重要な役割を学ぶことになります。
新人公演で上演する作品
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新人公演で上演する作品は、前述のとおり「本公演とまったく同じ作品」です。
通常、宝塚の1回の上演時間は約3時間(休憩含)で、
①芝居+ショーの2本立て
②芝居のみの一本物
のいずれかが主流です。(時々3本ものもありますが、本当に稀です)
新人公演で上演されるのは、ほぼ【芝居】です。
①の場合は、芝居を丸ごと1作品すべて上演します。
②の場合は、場面を省略し時間を短縮して上演します。
過去には、ショー『ノバ・ボサノバ』を上演した新人公演もありましたが、非常に稀なことです。
新人公演の上演時間
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2本立ての場合、芝居の上演時間は、どの作品もだいたい1時間35分です。
ですので、新人公演の上演時間も同じです。
芝居のみの1本ものの場合は、この時間と同じくらいになるように短縮(場面を抜粋して)上演します。
新人公演はいつ公演するの?
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宝塚の本公演と呼ばれる作品は、宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演される組のメンバー全員が出演する公演を指します。
新人公演は、本公演の上演期間中に、宝塚大劇場で1回、東京宝塚劇場で1回、計2回上演されます。
この2回は、出演メンバーと役が変わることはありません。(過去にはありました、通常は同じ生徒が演じます)
通常、公演が1/3ほど過ぎた頃に、新人公演が設定されています。
宝塚大劇場では火曜日の18:00、東京宝塚劇場は木曜日の18:30開演です。
新人公演がある日は、昼間は本公演、夜は新人公演となりますので、新人公演メンバーは「正直本公演どころではないほど緊張している」という話を聞いたことがあります。
タフなスケジュールですよね!
新人公演のチケット
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新人公演は本公演同様、「チケットを販売」します。
チケット代はこのようになっています。
【宝塚大劇場】
【SS席】5300円(12500円)
【S席】4200円(8800円)
【A席】3000円(5500円)
【B席】2500円 (3500円)
【当日B席】1500円(2000円)
【東京宝塚劇場】
【SS席】5300円(12500円)
【S席】4200円(9500円)
【A席】3000円(5500円)
【B席】2000円 (3500円)
※()内は通常の公演のチケット料金
上演時間が本公演に比べると半分ですので、チケット代もほぼ半額となっています。
ただし、新人公演は公演回数が少ない上、非常に人気なため毎公演チケット難となります。
また、新人公演には本公演に出演している上級生も観劇に来ますので、客席はスターがたくさんいるんですよ!
このような状況が、まずますチケット難を生んでいるとも言えますが…。
【新人公演】当日券の購入方法
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新人公演にも通常公演と同様に、当日券はあります。
しかし、劇場ごとに販売方法が異なります。
劇場ごとにご紹介します。
宝塚大劇場
宝塚大劇場での新人公演の当日券購入方法
【販売開始】当日10時から
【方法】1人1枚の先着順
【購入方法】B席2階17列目を「当日B席」として販売。完売の場合、立見券を販売。
【料金】当日B席 1500円、立ち見 2000円
東京宝塚劇場
東京宝塚劇場での新人公演は、通常公演の当日券と販売方法が異なりますので、注意が必要です。
東京宝塚劇場での新人公演の当日券購入方法
【販売開始】公演前日の朝10時から
【方法】当日券専用ダイヤル(0570-05-9500)に電話し、購入できる順番(整理番号)をもらう。
当日券を購入するかわりに「キャンセル待ち」を選択することも可能。その場合は「キャンセル待ち整理番号」をもらう。
【当日購入方法】前日もらった番号の順に、開演1時間半前(17:00)から劇場の劇場のチケット窓口にて購入。
※発売開始後に来た場合は無効になるので注意!
【座席】基本的に立ち見
【料金】立ち見 1500円
まとめ
ここまで宝塚の新人公演について見てきました。
宝塚を観始めた人にとっては、少し遠い存在かもしれません。
しかし宝塚は一度興味を持ちだすと、その魅力は尽きることはありません。
その1つとして新人公演はちょっとディープな宝塚の楽しみ方の1つです。
新人公演を語れるようになったら一人前?の宝塚ファンと言うとか言わないとか(笑)
いずれにしても成長を見守る要素を持つ宝塚という劇団にはとても大切な公演です。
「あんなに何も出来なかったのに(失礼)、こんな立派なスターさんになって…(涙)」
と、ファンたちはあたかも親のような気持ちで、成長を喜び、涙し、ときに激励し…。
このような劇団は世界広しと言えども、珍しいかもしれませんね。
この記事の内容をまとめると・・・
◆宝塚の新人公演は入団7年目までの生徒だけで本公演とまったく同じ作品を演じる公演
◆生徒の成長の場でもあり、大きな役を大劇場で演じることで度胸がつき、自分をアピールできる大切なチャンス。
◆新人公演は原則として「芝居」のみ上演され、時間は約1時間半。
◆チケット代もほぼ半分だが、非常に人気で毎公演チケット難。
◆新人公演で主演を演じると将来のトップスター候補として認知される。
◆宝塚ファンいとっても新人公演は将来有望な生徒を見つける新人発掘の場となる。