11月24日、花組トップスター・明日海りおさんが宝塚を卒業しました。
どこまでも美しくストイックに男役を追求した姿は、多くのファンの心にこれからも生き続けることでしょう。
サヨナラショーの内容や退団挨拶が明日海さんらしく、かっこよく、かわいらしいラストステージだと感じました。
今日は、明日海さんのサヨナラショーや退団挨拶、カーテンコールに至るまで覚えている限りレポートしていきます。
目次
明日海りおサヨナラショーの曲は?
『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』『シャルム!』に続いて『明日海りおサヨナラショー』が行われました。
サヨナラショーでは、明日海さんの出演した思い出に残る作品から懐かしい曲が盛りだくさんでした。
登場した曲はこのようになっていました。
1 『エリザベート』愛と死の輪舞
2 『宝塚幻想曲ファンタジア』
3 『カリスタの海に抱かれて』
4 『新源氏物語』
5 『金色の砂漠』
6 『MESSIAH』
7 『EXCITER!』
8 『Melodia -熱く美しき旋律- 』【柚香光】
9 『CASANOVA』 人生には恋と冒険が必要だ ★
10 『ポーの一族』時の輪
11 デュエットダンス
12 『Sante!!』【退団者娘役4人】
13 『BEAUTIFUL GARDEN』★
14 『ハンナのお花屋さん』Happiness
★明日海さん衣装チェンジ
30分ほどのサヨナラショーがあっという間でした。
しかし、明日海さんが次々懐かしの曲を歌い継いでいくので、感覚としては、1つのショーを観たような、またはそれ以上の充実感を得られるサヨナラショーでした。
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明日海りおサヨナラショーの衣装は3着
サヨナラショーで、明日海さんの衣装は3着。
1 明るい青の衣装
・左肩から大きな飾りがついている。
・腰からは白い羽のようなふわふわしたものがついている。
2 キラキラした素材の黒スーツ
3 キラキラした白燕尾
宝塚大劇場の千秋楽
明日海りおの退団挨拶は黒燕尾
宝塚大劇場での明日海さんの最後の大階段を降りてくる姿は【黒燕尾】でした。
①紋付袴袴:宝塚の生徒としての正装
②黒燕尾:男役としての正装
のどちらかを選ぶトップスターが多いですが、明日海さん選んだのは黒燕尾。
明日海さんが大好きな【男役】としての正装を選ばれたのですね。
明日海さんの男役に対する愛を強く感じるラストコスチュームでした。
同期のお花渡し
退団者は、組からと同期生からのお花を渡されますが、花組に同期がいない明日海さん。
同期からのお花渡しには・・・
雪組トップスター・望海風斗さん!
客席からは「わー」という歓声がわいていました。
カラー(だったかな?)の花を明日海さんに渡しながら耳元で一言、二言・・・
いや、もっと!
明日海さんに話しかけ、明日海さんはうなずき、ほほ笑み、うなずき、笑いというほほえましい同期愛を垣間見ることもできました。
明日海りおの退団挨拶
明日海りおさんの退団挨拶を聞いて、一番感じたのは・・・
退団者としての明日海りおではなく、花組トップスターとしての明日海りお
個人ではなく、花組の代表としての姿でした。
階段を降り切った明日海さんの第一声は、「千秋楽をご観劇いただきありがとうございました」という千秋楽の舞台挨拶。
たしかに、トップスターが退団する場合って千秋楽の挨拶が退団者としての挨拶に変わるので、こういう、聞き慣れた千秋楽の挨拶を退団挨拶で聞くことって珍しい。
きりん。は初めてかもしれません。
一個人ではなく、花組のトップスターとしてまずは感謝を伝えたいという明日海さんの人柄、思いが伝わってきました。
さらに・・・
「中学3年で初めて宝塚に出会い、トキメキと衝撃を受けました」
「宝塚音楽学校の受験を両親に反対され、1週間ごはんがのどを通らず、泣きわめきました」
「3日間、自分の下手に立てこもり、泣きわめき、熱を出しました」
と、少女時代の宝塚への強い愛を笑いを誘いながら語った明日海さん。
反対されたご両親が、宝塚音楽学校の受験を最終的に許してくださって本当によかった!
「一番幸せだったのは、花組に来て、この人に安心してついていきたい!一緒に舞台に立ちたい!と思ってもらえるように毎日もがいてきたこと」
宝塚愛が人一倍強い明日海さん。
宝塚の生徒となってからも自分に厳しかったからこそ、いまの明日海さんがあるのですね。
「まだ東京公演があるので」と、涙を見せることなく、道の途中という印象を与えた明日海さんですが、宝塚大劇場に呼びかける!という姿が、なんともかわいらしく素敵でした。
宝塚大劇場さん!!
ここで感じたこと、ここで学んだことを一生忘れません!!
17年間、ありがとうございました!
スタッフ、組子、観客、家族などに感謝を伝える退団者はこれまで多くいましたが、劇場に「さん」付けで、感謝の気持ちを伝えるトップスターを見たのは初めてでした。
退団公演であり、男役の集大成として演じた役が「精霊」であった理由が、このような明日海さんの言動からも納得できる気がしてきます。
明日海さんらしい退団挨拶で、とても素敵でした。
カーテンコールは6回!
カーテンコールは全部で6回。
ここでは、いつものほんわかした明日海節が聞けました。
「今日は天気に恵まれ…(客席に)今は…くもりですか?」
「…たぶん?あ、ここにずっといるから分からないですよね…」
今回は退団者が明日海さん以外全員娘役でしたので、退団者が一言ずつ話すたびに
「かわいいよー」
「キレイよー」
「素敵だよー」
「かわいい!」
と最後まで花男ぶりを炸裂させる明日海さんでした。
花組ポーズがまさかのイレギュラーバージョン!?
4度目のカーテンコールでは恒例の【花組ポーズ】を全員で!
しかし、両手に花束を抱えている明日海さんは、いつものポーズができないため、柚香光さんにポーズの見本をしてもらい「そうそう」と指導。
いざ本番では…?
「よいしょ」と、なんと…
花束を肩にかついで、わざわざ片手をあけて【花組ポーズ】!!!
まさかの花をかつぐ!?!?前代未聞の花組ポーズに客席も大爆笑でした。
そして、最後は緞帳の前に1人で登場する明日海さん。
「もう緞帳上がらないんですよ」
「(幕の)内側のわたしは、もう公開いたしません」
「皆さまのことをお慕い申し上げております」
と、最後まで観客を笑わせて袖へ消えていく明日海さんでした。
東京宝塚劇場の千秋楽
11月24日、前日の雨が朝まで降り続いていましたが、明日海さんが劇場入りする頃にはすっかり止みました。
明日海りお最後の劇場入りは雨を止める
さすが、持ってる男役!
真っ白のスーツに身と包んだ明日海さんは本当に輝いていますね♪
同期のお花渡し
東京の千秋楽でのお花渡し。
組からのお花は次期トップスターの柚香光さん。
同期からのお花は、羽桜しずくさんでした。
89期の中で可能性が高いのは、 夢咲ねねさんや美弥るりかさんではないかと思っていたので、少々驚きました。
羽桜さんは、2009年に宝塚を卒業し、現在は中島亜梨沙という本名で芸能活動をされています。
最後の楽屋出
公演についての詳細は後日改めて…。
劇場をあとにする男役としての明日海りおさん、最後の姿…。
明日海りおという1つの時代が終わる
サヨナラショーを見終えて、まだ東京公演はあるとは言え、
明日海りおという偉大なトップスターとともに1つの時代が終わる
そんな感情がこみ上げてきました。
これまで幾人ものトップスターの退団を見てきましたが、改めて「大きな時代が終わるんだな…」という寂しさとともに、明日海りおさんが宝塚に与えてきたものの大きさを実感しました。
失って初めて気づくことは想像以上に大きなものだと、いま実感しています。