宝塚の男役・娘役ってどうやって決まるのでしょうか?
「比率は?」
「両方やる人っているの?」
「転向って聞くけど、なんで?」
など、今回は【男役&娘役】についての「なんで?」を解決していきます!
目次
男役・娘役の決め方は?
宝塚の男役は、まさに女性にとっての理想の男性像。
最近では、男性の宝塚ファンも多くなり、休日の劇場では男性をよく見かけるようになりました。
本物の男性が見ても「かっこいい!」と感じる男役。
一方、娘役は「より女性らしく」を追求したという点で理想の女性像ともいえるのではないでしょうか。
どちらも現実の世界では、まずお目にかからない理想の姿を体現してくれます。
そんな宝塚の男役・娘役はどのようにして決まるのでしょう?
誰が決める?
決めるのは、基本的に生徒本人です。
最近は、宝塚音楽学校を受験する前から明確に分かれる傾向にあります。
男役志望の人はショートヘア、娘役志望はロングヘアで非常に分かりやすい。
以前は、入学してから男役志望の生徒は髪の毛を切るのが主流でした。
入学すると、男役志望、娘役志望でレッスン内容が異なりますので、髪型に関わらず、早い段階で希望を決めておく必要があるのでしょう。
希望は100%通るの?
男役になりたいなら男役。
娘役になりたいなら娘役。
本人の希望が第一ではありますが、その希望は100%叶うのでしょうか?
答えは・・・
決して100%叶うものではありません
「受験前から男役志望・娘役志望と分かれてるなら・・・、なんで?」
それは、そうせざるをえないから。
そうせざるをえない一番の理由は、そう。
【身長】
です。
【身長】で9割決まる!
男役になるか娘役になるかは【本人の希望】と前述しましたが、ほぼ【身長】で決まります。
自分の努力でどうにもならない部分です。
そのため、泣く泣く男役をあきらめて娘役として宝塚を目指すという人も多いのも事実。
その逆も、あるでしょう。
だから、本人の希望は100%叶うわけではないのです。
男役になりたかったけど、身長が伸びず(泣)
それでも「どうしても宝塚に入りたい!」から、娘役志望で受験した。
という人は意外に多いでしょう。
雪組トップ娘役の真彩希帆さんは、もともと男役志望だったようですよ。
15~18歳女子の平均身長
ここで、宝塚音楽学校を受験できる15~18歳日本人女子の平均身長をみてみましょう。
15歳女子の平均身長は157cm
18歳女子の平均身長は159cm
※小数点以下省略
この結果から考えると、娘役でも160cm以上が主流の宝塚は高身長集団だと分かりますね。
男役にいたっては170cm以上が、もはや当たり前の時代。
日本人女性で170㎝以上の身長の人の割合は1~2%。
男役になれる人はごく限られた条件の中から誕生するということが分かります。
しかし、なかには男役、娘役どちらでもいけそうな身長の人たちもいます。
最近では168cmくらいが分かれ目でしょう。
168cmは・・・
男役になれる身長ですが、少々低め。
娘役にもなれる身長ですが、少々高め。
このあたりの人たちは結構迷うでしょう。
理由② 声質・音域や容姿
では、身長で迷ったら次に考えるのが「自分はどちらが向いているだろうか?」ということ。
具体的には
・声質や音域
・容姿
となるでしょう。
男役・娘役、どちらに向いている顔立ちかというのも決める上で大切なポイントになります。
メイクでかなり足したり引いたりできるとはいえ、変えられないのは顔の形。
男役は面長が
娘役は丸顔が
向いていると以前から言われています。
男役・娘役の比率は?
ほぼ半々です。
ちなみに105期生40人の内訳は
・男役:21人
・娘役:19人
もちろん、毎年退団する生徒がいますので、まったく同じ数ではないですが組ごとになるべく半々になるように配属していると思います。
男役と娘役を両方やる人はいる?
男役も娘役、どちらもする人はいるのでしょうか?
前述のとおり、宝塚音楽学校でのクラスから男役・娘役にわかれてレッスンの内容が異なるため、どちらになるか決めなくてはいけません。
ですので、男役・娘役どちらもやるという人はいません。
しかし、演目によっては男役が娘役を演じることがあります。
・『ガイズアンドドールズ』のアデレイド役
・『ミーアンドマイガール』のジャクリーン役(ジャッキー)
は毎回男役が演じてきました。
もちろん、オリジナル作品でもよくあることです。
男役が演じる場合、娘役というより【女役】と分けた方がいいでしょう。
男役だからこそ演じることのできる
・ダイナミックさ
・妖艶さ
・姉御感 など
また、娘役が男役を演じることはありますが、
そのほとんどは少年役で、娘役が大人の男性を演じることはまずありません。
男役⇔娘役へ転向って?
役として
・男役が女役を
・娘役が少年役を
演じることがあるというのが前述しましたが、時々あるのが男役から娘役への【転向】です。
【転向】とは、それまで男役だった人が娘役になること。
役として1回限りの娘役ではなく、この先ずっと娘役として出演すること。
本人にとって重大な決断であるとともに、賭けでもあるのです。
それは、これまで築いてきたもの、身につけてきたものの大部分をリセットして、1から作り上げていかなくてはいけないからです。
相当な努力が必要です。
しかし、娘役に【転向】したことで、成功しトップまで上り詰める人もいます。
記憶に新しいところでいえば、愛希れいかさん。入団2年目で娘役に転向しました。
もともとかわいらしい顔立ちだったこともあり、違和感なく転向に成功!
高い身体能力を生かし、6年間トップ娘役として月組を盛り立てました。
彼女がそのまま男役を続けていたらここまでの功績はなかったかもしれませんので、転向して大成功した例と言えるでしょう。
一方、娘役から男役への転向はありません。
さいごに
ここまで宝塚の男役・娘役についてみてきました。
まとめると・・・
◆男役・娘役の決め方は本人の希望ではあるけれど・・・ほぼ、身長で決まる。
◆男役・娘役の比率はほぼ半々
◆男役・娘役両方やる人はいない。ただし、公演ごとに役としてはもちろんある。
◆男役から娘役の転向はありえる。トップ娘役になる可能性もあるが、娘役から男役への転向はない。