今回は、宝塚の【サヨナラショー】について解説します。
出演する生徒はもちろんのこと、宝塚ファンにとっても特別な時間となるサヨナラショー。
「サヨナラショーの時間は決まっているの?」
「トップ以外はサヨナラショーをできる人、できない人の違いは?」
「上演するための費用、実費って噂は本当!?」
などサヨナラショーにまつわる疑問を解決しちゃいましょう!
目次
サヨナラショーについて
そもそも【サヨナラショー】って何なのでしょう?
サヨナラショーって何?
通常の公演とは別に、退団者が行う特別なショー。
主な内容は・・・
①退団者の・・・
◆代表作
◆思い入れのある作品
◆新人公演
などから思い出深いシーン
②次期トップそして組子へ
【託す】思いを表現する
③退団者の得意分野(歌・ダンスなど)を
余すところなく披露する
など
サヨナラショーに出演するのは退団者だけでなく、組に所属する生徒たちも出演し、盛り上げます。
いつやるの?
①宝塚大劇場
②東京宝塚劇場
それぞれの千秋楽(前楽)の終演後に行われます。
千秋楽のみの場合は2回。
前楽行う場合は4回行われることになりますね。
誰ができるの?
サヨナラショーは、退団者すべてが行えるものではありません。
劇団から許可された一部の生徒に限られます。
では、サヨナラショーを行えるのはどんな生徒でしょう?
<確実>
男役トップスター
娘役トップスター
<場合による>
2番手スター
専科などの別格スター
男役、娘役トップスターは同時退団、単独退団に関わらず、ほぼ100%サヨナラショーを行います。
しかし、トップ以外の退団者に関しては明確な基準は
ありません。
2番手として退団した場合でも、サヨナラショーを行う人もいれば行わない人もいます。
時間は?
上演時間は退団者によって異なります。
<トップコンビまたは男役トップスターのみ>
約30分
<娘役トップスターのみやその他>
約15分~約20分
男役トップスターの退団時は30分と長めですが、その他の生徒の場合は短めになります。
さらに、サヨナラショーのあとに続けて【退団挨拶】が行なわれます。
組長さんに退団者が1人1人ずつ呼ばれ、最後の大階段を降りてきて、挨拶をします。
サヨナラショーから退団挨拶、さらにカーテンコールまですべていれると、1時間以上かかることも珍しくありません。
通常の公演が約3時間ですので、そのあとに1時間以上かかりますので、最低でも4時間を超えるでしょう。
退団者が多い公演では、5時間の長丁場という場合もありますので、遠征される方は帰りの新幹線や飛行機の予約時間に注意が必要です。
サヨナラショーの疑問
疑問① サヨナラショーをする人・しない人
トップスターはサヨナラショーを行うことは分かりましたが
その他の生徒たち(2番手や別格スター)で
サヨナラショーを
・やる人
・やらない人
の差はどこにあるのでしょうか?
サヨナラショーを行ったトップ以外のスター
トップスターではなかったけれど、
サヨナラショーを行ったスターたちです。
・ 汐風幸
・ 初風緑
・ 伊織直加
・ 樹里咲穂
・ 彩吹真央
・ 涼紫央
・ 悠未ひろ
・ 美弥るりか
2000年代に導入された【新専科制度】に翻弄されたスターたちが多い印象があります。
新専科制度は、当時、番手がついているスターたちを大量に専科へ移動させた人事のことです。
劇団としては
「新しい風を」
「劇団全体の活性化」
を目的に導入したのでしょうが、
・詰まり気味だったスターの解消
・若手を早く上げたい
という理由ではないか?とファンからの批判が多く、現在ではこのように大量移動はなくなりました。
組替えの記事でも書きましたが、10年に1度くらい、トップ候補とされる
人気の高いスターたちがどうしても詰まってしまう時期があり、その中で翻弄されてしまうスターがいるのは事実です。
サヨナラショーをやる・やらないの差は・・・
本人の希望はもちろんのこと、それ以外に
【タイミング】【時代】
または【劇団側の都合】など様々な影響で
トップへの道が開かれなかった
2番手・別格スターたち本人・ファンたちへの
劇団としての様々な思いが
サヨナラショーを開催を決定する
という結果に表れているのではないかと推測できます。
疑問② サヨナラショーは実費なの?
サヨナラショーは、「〇〇〇〇サヨナラショー」と生徒個人の名前がつき、 本来の公演ではありません。
ここで気になるのは【費用】のこと。
サヨナラショーにかかる費用は誰が負担するのでしょうか?
退団する生徒本人が負担する
という噂がありますが、あくまで噂の域を脱していません。
内部の人間ではないので、確実なことは言えませんが、サヨナラショーにかかる経費(人件費や衣装代など)をすべて生徒個人に負担させるということはまず考えられません。
いくらファンクラブがバックにあるとは言え、30分ものショーにかかる費用は莫大なものです。
これまで宝塚の顔として劇団を盛り上げてきたトップスターなどの生徒に、劇団が関与せず費用を負担させるのはブラックすぎますね。
「サヨナラショーは生徒自身が実費負担」というインパクトの強い噂が独り歩きしている状態と言えるでしょう。
退団にお金がかかるのは事実
サヨナラショーにお金がかかるのではなく、退団するのにお金がかかるという言い方が正しいのではないでしょうか。
舞台と直接関わりのない部分、例えば千秋楽終演後のパレードや装飾などはもちろん生徒個人の負担ですから、ファンクラブが中心となって退団用に費用を用意するのは事実です。
まとめ
ここまでサヨナラショーについて見てきました。
◆サヨナラショーとは、トップスターなど限られた退団者のみが行うことができる特別なショー。
◆退団公演の千秋楽または前楽に行われ、思い出の作品を中心にダンスや歌で構成される30分程度のショー。
◆サヨナラショーは退団する生徒がすべての費用を持つという噂があるが、信ぴょう性は低い。
◆サヨナラショーではなく、退団する際にはお金がかかるというのは事実。