宝塚の1年の締めくくりと言える『タカラヅカスペシャル』
2019年は東京公演中の月組をのぞく各組スターと専科の夢の競演となりました。
今回は、『タカラヅカスペシャル2019』の感想や爆笑の理由、開演アナウンスなど気になる点をまとめていこうと思います。
さっそく始めましょう!
目次
『タカラヅカスペシャル』とは?
『タカラヅカスペシャル』は、毎年12月に行われるスターたちが一同に集結する豪華なイベントです。
スポーツのオールスターズのようなイメージ。
通年公演になった昨今は、必ず5組のうち、どこか1組は東京公演中のため出演できませんが、それ以外の4組と専科から選抜メンバーが『タカラヅカスペシャル』に出演します。
『タカラヅカスペシャル』への出演=スターの証とも言えますので、各組の路線スターを把握する上でも出演メンバーはチェックしておきたいものです。
さて、気になる『タカラヅカスペシャル』の内容は?
毎年、少しずつ変わりますが、過去に多かったものや特徴は以下の通りです。
◆年ごとに【テーマ】がある。
◆基本的に【歌がメイン】
◆【各組コーナー】では作品のパロディや過去の作品が演じられる。
◆トップスターによる【トーク】
◆トップコンビの【シャッフル】される。
◆客席も一緒に【ダンス】を踊ることも
◆豪華な【客席降り】がある。
普段は、組ごとに公演を行う宝塚ですが『タカラヅカスペシャル』では、各組トップコンビや路線スターたちを一度に観ることができる、ファンにとっては「目がいくつあっても足りない!」というまさに【夢のような空間】が広がります。
また、過去の有名な名曲の数々をスターたちが歌いつないだり、その年や過去に上演された作品を、意外な配役で観ることができるのもファンにとっては嬉しいものです。
【パロディ】は、通常ではありえない展開、ありえない配役、ありえない結末、ありえない組み合わせという、まさに【お祭り】ならではの何でもあり!の舞台。
ファンの間では非常に人気が高く、毎年楽しみにしているファンも多いパロディですが、最近は少なくなってしまった印象のある ので、ちょっと残念です。
ぜひ復活してほしい!
また、トップコンビのシャッフルも『タカラヅカスペシャル』ならではの醍醐味です。
見慣れた並びではないため、とにかく新鮮。
相手役が違うと意外な一面を発見できることもあるので、パロディ同様ファンの間で人気の高いコーナーです。
『タカラヅカスペシャル2019』テーマ
さて、2019年のテーマは・・・
◆宝塚歌劇105年
◆平成から令和へ時代の移り変わり
という伝統と変革の1年。
ーBeautiful Harmony―というサブタイトルがついていました。
これまでの時代も、これからの時代も美しく調和していくという思いがこもった『タカラヅカスペシャル2019』となりました。
さらに2部では、2019年7月にご逝去された宝塚の偉大な演出家・柴田侑宏先生の作品の主題歌を歌いつないでいました。
柴田先生の書かれるセリフは美しく、様々な人間模様から「美しい人間の心」を表現する数々の名作を宝塚の舞台に誕生させた、まさに昭和・平成を代表する演出家でした。
『タカラヅカスペシャル2019』感想
わたくし、きりん。はありがたいことに、非常に前方の【神席】で今年の『タカラヅカスペシャル』を観劇することができる機会をいただきました。
滅多にないこのような幸運を五感を総動員して、体全体、心全体で味わいつくした2時間20分でした。
今年の『タカラヅカスペシャル2019』の感想は、全体的に笑いは少なめ、MC少なめという落ち着いた雰囲気のタカラヅカスペシャルだったように思います。
そうはいってもスターさんのエネルギーはすごく、そのキラッキラの衣装をも超える輝くオーラには圧倒されます。
主に印象に残ったのは・・・
◆新生星組&花組の並び
◆永久輝せあの花男感
◆トップ娘役の可憐さと美しさ
◆芹香斗亜のスカーレットdeソーラン!
◆聖乃あすかの美しい虞美人
◆望海風斗の聴かせる歌
◆渋く、色気を放つ2番手たち
新生星組&花組
星組は紅ゆずるさんから礼真琴さんへ。
花組は明日海りおさんから柚香光さんへ。
トップスターがこの2か月あまりで2人変わり、非常にフレッシュ感漂う【並び】でした。
柚香さんは『タカラヅカスペシャル2019』がお披露目ですので、すごい新鮮!
まさに【伝統と変革の美しい調和】を目の当たりにした瞬間でした。
永久輝せあの花男
さらに、注目していたのは雪組から花組生になった永久輝せあさん。
花組生として『シャルム!』を歌っている永久輝さん。
「おー!」と新鮮ではありましたが・・・、違和感はまったくない。
花組の男役「花男」としての品格と色気は、すでにオーラとして放出されていましたし、今後花組での活躍がますます楽しみな存在です。
トップ娘役の可憐さと美しさ
客席降りは前半にありました。
通路に並ぶスターさんは、かなり後方でも路線スターばかりという贅沢な時間。
トップスター+トップ娘役さんが非常に近かったのですが、近くで見る娘役さんの可憐さ、美しさはまさに浮世離れ!?
「トップになるには、理由がある」
こんなことを妙に納得した瞬間でもありました。
芹香斗亜のスカーレットdeソーラン
『タカラヅカスペシャル2019』でもっとも笑いが多く、「これぞタカラヅカスペシャル!」というはちゃめちゃ具合を楽しめたのは、芹香さんでしょう!
宙組コーナーでの一コマとして、『風と共に去りぬ』 の一場面を再現。
トップスターの真風涼帆さんがレットバトラーを、芹香斗亜さんがスカーレットを。
嫉妬に狂うバトラーが、スカーレットに「きみの頭蓋骨をくるみのように粉々に砕くことだってできるんだよ…」のあのシーンです。
そのシーン自体はいたって真面目なので、笑う要素は特にありません。
芹香さんの大きめのスカーレットは登場した瞬間から、迫力がすごかったですが…。
スカーレットが階段を落ちたあとは、バトラーが『愛のフェニックス』を歌い、風と共に去りぬのシーンは終了。
最大の笑いポイントはそのあとです。
宙組生が『ソーラン宙組』(「VIVA!FESTA!」より)を歌い出てくるのですが、芹香さんはスカーレットの衣装の上に法被を着て、ソーランを踊ります!
このアンバランスさ!
ドレス着て、男役全開!
芹香スカーレット+法被という姿がおかしすぎて、他にも十分おかしな格好なはずの他の宙組生がまともに見えてくる…。
◆『ベルサイユのばら』の小公子(マッシュルームヘア)+法被
◆『王家に捧ぐ歌』のラダメスとアイーダ+法被
◆レット・バトラー+法被
だって十分すぎるほどおかしなはずなのに、最後までどう頑張っても、目線が芹香さんにしかいかないまま、宙組コーナーは終わりました。
聖乃あすかの美しい虞美人
花組コーナーの最初は『赤いけしの花』(「虞美人」より)でした。
瀬戸かずやさんが項羽、永久輝せあさんが劉邦として登場。
さらに、虞美人に扮するのは若手の注目株・聖乃あすかさん。
以前、宝塚音楽学校入学前のモデル時代の美しい姿を紹介しましたが、絶世の美女・虞美人の姿も美しい。
歌はなく、項羽の周りを舞うのみでしたが、明日海りおさんのDNAを受け継ぐ美形男役がこれからの花組で活躍していくだろうと思うと、注目度はさらに上がりそうです。
望海風斗の聴かせる歌
雪組公演で聴く望海さんの歌唱力は圧巻ですが、宝塚のスターの中で聴く望海さんの歌唱力も、はやり圧巻でした。
歌唱力のあるスターさんはもちろんいますが、聴くものをその世界に一瞬で引き込んでいく【引きずりこみ具合】が、望海さんは別次元だと改めて感じました。
こちらが知っている曲、知らない曲に関係なく、ぐいぐい引き込んでいく力がとにかくすごい。
2020年の『NOW! ZOOM ME!!』がいまから楽しみ!
トップスターのMCは、全体的に真面目な印象でしたが(今年は紅さんがいないのが大きい!?)望海さんの柴田先生とのエピソードの中に、笑いを交えながら語っていました。
日頃から千秋楽の舞台挨拶なども、暗記したものを話すのではなく自分の言葉で語る望海さんを見て、望海さんの【幅の広さ】を感じていましたが、そのような【表現力】が歌にも発揮されている結果なのではないかと思いました。
わたくし、きりん。の勝手な予想では、2020年中に相手役の真彩さんとともに退団されてしまうのではないかと考えている望海さんだけに、在団中の舞台をより大切に観劇したいと思いました。
渋く、色気を放つ2番手たち
毎年恒例のトップコンビシャッフルは今年はありませんでした。
楽しみにしているファンは少なくないと思うので少し残念ですが、今年は2番手とトップ娘役のシャッフルがありました。
2番手が一同に会するシーンとしては、1部後半。
ラテン系のノリノリの曲で、歌い踊るシーンで2番手が終結しました。
『エル・クンバチェロ』『エルマンボ』で、瀬戸かずや、彩風咲奈、愛月ひかる、芹香斗亜が登場。
「この安心感はいったい何!?」
というほどの【安定感と出来がっている感】が舞台に充満されている…。
2番手がうまいと組はしまると言いますが、「どの組もしまること間違いなし!」と容易に想像できてしまうこの感覚は久しぶり。
新生星組と花組の並びで感じたフレッシュさとは真逆の「フレッシュさ」がそこにはありました。
『タカラヅカスペシャル2019』開演アナウンス
毎年、タカラヅカスペシャルの開演アナウンスは娘役が勤めています。
今年の開演アナウンスは・・・
宙組の夢白あやさん。(だと思います)
歴代の開演アナウンスは以下の通りです。
2014年 妃海風さん
2015年 海乃美月さん
2016年 星風まどかさん
2017年 華優希さん
2018年 潤花さん
さいごに
ここまで『タカラヅカスペシャル2019』の感想をメインを書いてきました。
2019年の宝塚にも非常に楽しませていただきました。
来年2020年も宝塚とともに楽しい1年になりますように。