「宝塚に入りたい!」と思ったら、まず【宝塚音楽学校】に入学しなければなりません。
この宝塚音楽学校は非常に狭き門としても知られていますが、晴れて入学を許可された未来のタカラジェンヌたちの生活を支えているのが『すみれ寮』と呼ばれる寮です。
今回は、そんな謎に包まれたすみれ寮について見ていこうと思います。
さっそく始めましょう!
宝塚音楽学校のすみれ寮とは?
まず【すみれ寮】とは一体何なのかと知る上で、宝塚音楽学校について触れておく必要があるでしょう。
宝塚音楽学校とは、兵庫県宝塚市にある学校で、宝塚歌劇団の団員を育成するための各種学校です。
2年制で、この学校の卒業生しか宝塚歌劇団に入団することはできません。
この学校には、日本全国あるいは海外からも入学志願者が多くおり、入学後は近隣に住む一部の生徒を除いてほとんどの生徒は自宅から通うことはできません。
また、宝塚音楽学校は一人暮らしを禁止しているため、多くの生徒は寮に入って学校生活をおくることになります。
その寮が【すみれ寮】です。
宝塚歌劇団は100年を越える歴史のある劇団ですので、すみれ寮の歴史も非常に長く、これまでに何度か建替えや移転をしています。
すみれ寮の今と昔を見ていくことにしましょう。
すみれ寮の今と昔
長い歴史の中ですみれ寮での生活も大きく変わりました。
どのように移り変わっていったのでしょう。
木造のすみれ寮
1960年代のすみれ寮は木造だったようです。
いつからこの木造のすみれ寮が使用されていたのかは不明ですが、すき間風が吹く建物だったようで、その中で生徒たちは宝塚歌劇団の生徒を夢見て過ごしていたようです。
旧すみれ寮
1970年から使われはじめまたのが旧すみれ寮でした。
現在は旧すみれ跡地にファミリー向け分譲マンションと南口すみれ公園という公園ができています。
1982年頃のすみれ寮の内部はこのようになっていたようです。
押し入れは1人1つ用意されていたようですので、1部屋3人での共同生活だったのでしょうね。
このイラストでは、布団を3枚敷くといっぱいになってしまう広さですから、かなり小さ目のお部屋で共同生活を送っている様子が見てとれます。
旧すみれ寮は、入り口は1つでしたが、中では第1~第3まで3つの建物に分かれていたようです。
音楽学校生が生活するのは第2すみれ寮で予科生は3~4階、本科生は1~2階で生活してたようですね。
予科生は3~4人の和室、本科生は2人部屋で洋室だったと卒業生が話されていました。
劇団に入ると第1または第3すみれ寮へ引っ越しをしたようです。
入団後も旧すみれ寮で生活している生徒は多かったようですから、かなりの大所帯だったと想像ですますね。
また、公衆電話や洗濯に列ができると、下級生はとにかく気を使うでしょうね。
とにかく音を立てないように、様々な工夫をしていたエピソードを卒業生が語っています。
◆スリッパの裏にフェルトを貼る
◆押し入れの中でパンの袋を開けて食べた
◆目覚まし時計は枕の下に入れ、鳴ったら秒速で止める
◆外で買い物をしてきたときにビニール袋から出してから寮に入る(ガサガサ音が出るため)
◆部屋では無静音で話す。または筆談。
予科生時代には、とにかく気を抜く時間は一分たりともなかったようです。
上級生となるべく遭遇したくないというのが本音のようですから、まさに気配を消して生活していたと後々笑いながら話す生徒や卒業生は大勢います。
新すみれ寮
2015年、宝塚市武庫川町1丁目の宝塚ファミリーランドの跡地に新しいすみれ寮が完成しました。
宝塚大劇場から徒歩2分という好立地です。
白を基調とした7階建てのマンションです。
宝塚大劇場の色と合わせてデザインされたようです。
旧すみれ寮から学校までは、武庫川を渡って徒歩10分の距離でしたから、近くなったことで生徒も嬉しいでしょうね。
特に予科生は朝早く登校しますから、朝の数分は貴重でしょう。
寮室数は139戸で、音楽学校生だけではなく、下級生を中心とした劇団の生徒も合わせ275名ほどは生活できるようです。
ほとんど2名部屋だと考えられます。
また、旧すみれ寮に比べると音の伝わり方も違うでしょうから、気を使うことには変わりないでしょうが、新すみれ寮で生活できる予科生は昔よりは少しだけ楽かもしれませんね。
すみれ寮での生活
さて、すみれ寮での生活はどのようなものなのでしょう。
宝塚音楽学校は、週6日制です。(日曜と祝日はお休み)
日曜日も個人レッスンなどで芸を磨く音楽学校生が多いようですから、寮は寝に帰るだけという人が多いのではないでしょうか。
門限は夜11時のようです。
すみれ寮での食事
体が資本の舞台人にとって、食事は大切ですよね。
すみれ寮では、食堂などはあるのでしょうか?
卒業生や在団生の話の中にすみれ寮の食堂の話を聞いたことはありませんので、おそらく食堂はないのでしょう。
劇団には食堂があると聞きましたが、もちろん音楽学校生は使えないでしょう。
寮にミニキッチンは用意されているようなので、そこで自炊することもできるでしょうね。
ただ、朝早くから1日中レッスン漬けの日々を送る生徒たちにとって、寮に帰って自炊する体力は残っていないかもしれませんね。
外で総菜やお弁当を買ったりしているのでしょうか。
育ち盛りの10代の子たちの栄養バランスが少々気になってしまいました。
すみれ寮の場所
新すみれ寮と宝塚音楽学校の位置関係はこのようになっています。
宝塚大劇場のななめ前に新すみれ寮があり、道を挟んで宝塚音楽学校があります。
まとめ
ここまで宝塚音楽学校のすみれ寮について見てきました。
時代が変わってすみれ寮は変わりましたが、宝塚の舞台を観ていると、宝塚の精神は脈々と受け継がれていくと感じます。
その原点とも言える宝塚音楽学校の生徒たちが生活するすみれ寮はまさに夢のスタート地点を支える大切な場所ですね。
まとめると・・・
◆すみれ寮は宝塚音楽学校の生徒の大半が生活する寮
◆木造の寮から1970年に旧すみれ寮に建替えられる。
◆上級生に気を使う予科生時代の寮生活はとにかく工夫しながら気配と消し、同期と乗り切る
◆2015年、宝塚ファミリーランド跡地に新すみれ寮が完成
◆すみれ寮には音楽学校の生徒だけでなく、劇団員も入寮可能
◆食事はおそらく自炊が基本
◆場所は宝塚大劇場の斜め前で徒歩2分の近距離