宝塚を知らない人でも、養成機関である宝塚音楽学校=厳しい学校というイメージをお持ちの方は多いですね。
特に先輩、後輩の上下関係の厳しさは、軍隊並みと表現されることも珍しくないほど。
そこで、今回は宝塚音楽学校の授業内容や厳しいと噂の上限関係は「本当なのか?」「具体的な内容は?」など、気になることをまとめます。
さっそく始めましょう!
目次
宝塚音楽学校とは?
まずは、簡単に宝塚音楽学校についておさえておきます。
宝塚音楽学校とは、宝塚歌劇団の養成機関である学校法人です。
宝塚歌劇団の団員は全員、宝塚音楽学校の卒業生で、宝塚を目指す人は全員宝塚音楽学校の受験で合格しなくては夢を叶えることはできません。
宝塚音楽学校の授業内容
宝塚音楽学校では2年間、宝塚歌劇団の生徒として、舞台人としてふさわしい人物になるためのあらゆることを学びます。
その授業内容は非常に幅広く、相当ハードです。
【曜日】月曜日~土曜日(週6日)
【時間】午前9時~午後4時20分または6時5分
※他に希望者のみ高校卒業のための単位習得授業がある。
【内容】
◆バレエ、モダンダンス、タップダンス、日本舞踊
◆声楽(クラシック)、ボイストレーニング、コールユーブンゲン、ソルフェージュ、ポピュラー、ピアノ
◆演劇
◆その他 ピラティス、栄養学などの特別講習あり
舞台人は体力勝負ですから、音楽学校時代にとにかく鍛えて鍛えて鍛えあげるというカリキュラムが作られています。
さらに、休み時間は15分とお昼に50分あります。
15分って結構長め?と思いきや、バレエはレオタード、日本舞踊は浴衣など着替えと移動、トイレなどすべて含めの時間ですから、かなり忙しいはずです。
宝塚の舞台は早着替えのオンパレードですから、無駄な動きを一切省いた厳選された動きが求められます。
音楽学校時代から、日々の積み重ねが舞台に生きるのでしょうね。
授業は通常、1学年をA組、B組と2クラスに分けて授業を行っているようです。
少人数制で落ちこぼれを作らないシステムになっているのでしょう。
また、講師陣は宝塚歌劇団OGや卒業間際になると、劇団から現役の生徒たちが舞台メイクの講習などもあるようです。
宝塚音楽学校の厳しい上下関係
宝塚歌劇団、宝塚音楽学校ともに、厳しい上下関係でも有名です。
先輩である本科生の言葉は絶対的で「右と言えば右!」「カラスは白と言えば白!」というほど。
「いえ、わたしは違うと思います!」
など口が裂けても言えるような状況ではありません。
ここで、いかに上下関係が厳しい(=本科生は怖い)かといエピソードをご紹介します。
すべての言動を注意される!
挨拶をしても「声が小さい!!!」と怒られたり、歩き方、おじぎの仕方1つ1つまで指摘されることは日常茶飯事。
特に入学してすぐの頃は、一挙手一投足すべて注意されることも珍しくありません。
さらに、同期の誰かが注意されたからと言って自分も直したら、また怒られるようです。
その場合は「直させていただきます」と一言、言わなくてはいけないようなのです。
連帯責任
同期の誰かが怒られたら全員または委員(成績で決まる学級委員的な存在)が謝らなければならないというルールもあります。
連帯責任という考えが徹底されているのでしょう。
現在はさすがにないかもしれませんが、少し前は廊下に立たされたり、先輩が寮の部屋まで叱りに来たりした時代もあったようです。
24時間、気が抜けませんね・・・。
予科生の寮生活
さらに、学校以外でも気を抜くことができない時間は続きます。
音楽学校の生徒の大半は自宅から通学できないため、寮生活をしています。
寮の名前は「すみれ寮」と言います。
寮での生活は、本科生はもちろんのこと、歌劇団の生徒(主に下級生ですが予科生にとっては雲の上の存在でしょう)が生活しています。
寮での厳しいルールはどのようなものがあるのでしょう。
音を立ててはダメ!
寮では音を立ててはいけないというルールがあるようで、廊下でおしゃべりしたり、階段の上り下りで音を立てるなどもってのほか。
電子レンジのチン!を鳴らすのも絶対にダメなので、カウントダウンが終わる前に扉を開けるなんてことはもはや常識のようです。
現在は、数年前に寮が建て替わり新しくなりましたので、音の伝わり方も以前より改善されたでしょうが、旧すみれ寮では、外で食事を買ってきたとしても、寮の中でビニールの音を立てられないため、外でビニールから出さなければいけなかったようです。
目覚ましアラームは秒で止める!
さらに、予科生の朝は非常に早いことでも有名です。
授業前に毎朝、音楽学校の掃除をするためです。
予科生にとっては、4時起き、5時起きは常識ですが、先輩たちはまだ眠っている時間でしょう。
音を立ててはいけないので、目覚まし時計枕元に置いておくことはできません。
置くのは枕の下。
いまはスマホでしょう。
アラームが鳴ったら、秒で止めて音を立てずに朝の準備をすべて行う必要があるのです。
寝起きにフラフラして家具にぶつかったりするわたくし、きりん。には絶対出来ないと断言できます・・・。
しかし、一昔前の宝塚に比べると現在はそれでも緩めになっているようですが、一般的な学校や職場とはやはり比べ物にならないほどの厳しい世界であることに変わりありません。
のちに「地獄のような1年」と表現している生徒も1人や2人ではありません。
予科生の睡眠時間は3時間!?
とにかく、予科生の睡眠時間は短い。
もちろん、毎日ではないでしょうが、だいたい3時間程度のようです。
それは、授業以外にやらなくてはいけないことが目白押しだから。
授業の前には約1時間半かけて校舎を掃除、授業のあとには個人レッスンなどに通う生徒が大半のようですし、身の回りのこと、次の日の課題の練習などいくら時間があっても足りないようです。
宝塚音楽学校の掃除分担
前述しましたが、予科生は授業の前に約1時間半かけて校舎を掃除するという宝塚音楽学校の伝統があります。
掃除といっても年末大掃除の10倍ほどのイメージだと、OGが語っているほどの大・大・大掃除を毎朝行います。
また、掃除を行う場所は1度決まったら1年間変わることはありません。
玄関担当の人は、1年間玄関を。
トイレ担当の人は、1年間トイレを掃除します。
チリやほこり、髪の毛1本にいたるまですべて取り除かないと本科生のチェックでまた怒られることになりますから、予科生は必死です。
制服のスカートの中に、ガムテープを仕込んでおいて、常に取り除ける準備をしているという話もあります。
また、教室やトイレなどに置いてある物もすべて場所が決まっているため、ミリ単位で調整する必要があります。
少しでも違うと本科生の容赦ない厳しい声が飛んできます。
また、分担さんという言い方があるようで、その場所を担当することになった生徒のことを呼ぶようです。
さらに、同じ場所を掃除してきた先輩分担さんが後輩に掃除の仕方やチェックなど様々な指導をします。
OGの方が、分担さんの伝統を紹介されていました。
まとめ
ここまで宝塚音楽学校の厳しい上下関係位やルール、授業内容について見てきました。
まとめると・・・
◆宝塚音楽学校は宝塚歌劇団の養成機関で2年間、舞台人になるためのノウハウを徹底的に学ぶ場所
◆授業は週6日。
◆先輩の本科生はとにかく怖い。言動すべてがチェックされ、容赦なく怒られる。
◆すみれ寮での生活も厳しいルールが多く、特に1年目の予科生は音を立てずにひっそりと生活しなくてはいけない。
◆予科生は授業開始前に約1時間半かけて大掃除の10倍ほどの掃除を毎朝行う。
◆掃除分担は1年間変わらない。