花組

【明日海りお】『A Fairy Tale』感想がすごい!まさかの男泣き!?

とある休日の昼下がり。

わたくし、きりん。は、珍しく夫と子どもと3人で劇場へ出かけました。

客席は、もちろん女性客が大半ではありますが、確実に男性客も目立つようになりました。

一昔前の宝塚で、このような光景を見ようとは想像もしていなかっただけに、なんだか嬉しくなりました。

さて、今回は「宝塚は一本物しか観ない!」と公言するある男性が、ひょんなことから無理やり連れてこられた花組公演で、感動した『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』の感想をエッセイ風に書いてみた、当ブログではかなり異色な記事です。

「需要はないだろう…」と思いますが、時にはこんな記事もお許しくださいませ…。

『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』で男泣き!?

『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』は、現代日本で働く仕事人間(特に男性)にこそ観てほしい作品かもしれない…。

そんな風に感じたのは、『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』の幕が下り、30分休憩が半分終わりかけた頃のことだった。

幕が下りてすぐに「ファンタジーだね~」と夫に話しかけたわたしの言葉に小刻みに頷いただけで、夫はトイレへと席を立ってしまった。

「やっぱり男の人にはこういうストーリーは向かないのかな…」

そう思ったが、さほど気にもせずお腹を満たすため子どもと2人でパンを頬張った。

宝塚の劇場で嬉しいのは、幕間は飲食可能なことだ。

「宝塚は芝居が好き!ショーはよく分からない!」と言い張る夫のために、宝塚に誘うのは一本物と呼ばれるショーがない作品だけだった。




宝塚に誘うなら…

付き合っていた頃、結婚するなら「宝塚はイヤ」と言わない人と決めていて、夫は人生で初めて宝塚デビューしたのが『ベルサイユのばら』

今考えれば、初めて宝塚を観る男性に勧めてよかったのか甚だ疑問だが、これぞタカラヅカ!という『ベルサイユのばら』の舞台に「目がチカチカしたけど、楽しかった!」と言ってくれた彼に「この人いいぞ!」と内心ガッツポーズした日から早10年以上。

『るろうに剣心』は絶対観たい!と前日に高熱が出たにも関わらず、気合いで劇場にやってきた夫…。

『ミーアンドマイガール』に「ミュージカルって楽しいね!」と大満足な様子だった夫…。

これまで数々の宝塚の一本物を観てきた夫だが、今回の花組公演『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』は一本物ではない。

しかし、みりお(明日海りおさん)の退団公演は「どうしてもお父さんを連れて行きたい!」と子どもが譲らないので、夫はしかたなく着いてきた。

(ショーに対して失礼にもほどがある…)




トイレを終えて…

「トイレすっごい並んでたんだけど…」と日頃、トイレに並ぶことに慣れていない男性ならではの感想とともに客席へ戻ってきた夫。

宝塚の男子トイレが並んでいるなんて、なんて喜ばしいこと!

宝塚ファン歴25年のわたしは、「世の男性諸君よ!宝塚は楽しいところであろう?」と妙に誇らしくなってしまう。

待ち構えていた子どもが「お父さん!どうだった?」と公演の感想を聞く。

「うん。よかった…。」

「どこがよかったの?」

無理やり連れてこられた感のある父親がちゃんと舞台を観ていたのか、すかさず厳しいチェックが入る。

「………大人になるって……そういうことなんだよな……っていう……とこ?」

子どもがまったく理解できない感想を、かみしめながらぽつりぽつりと話す父親に「ふーん」と乾いた相槌をして『ル・サンク』をパラパラめくり始める子どもに見捨てられ、夫はやり場に困った言葉をわたしに投げかけてくる。




大人の男が心動かされたのは…

「話は深くはないけどさ…、でも……うるっときちゃってさ…」

「大人になるってこういうことなんだよなーって思うわけよ」

「なんか、すごいグッとくる話だった……」

夫は口数が少ないので、感想を聞いても「よかった」「楽しかった」くらいしか言わないのに、この日は『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』に心を動かされたと見え、いつもより饒舌だった。

柚香光さん演じるハーヴィーたちヴィッカーズ商会の社員や研究員たちは、イギリスの高度経済成長を支える仕事人間。

「時は金なり!」と常に口にし、会社の歯車として働く様子が劇中の随所随所に登場する。

現代日本の効率主義の中で働く、技術職の1人として、ハーヴィーの姿と自らを重ねて観ていたのかもしれない。

「植物のことをもっと知りたい!ただ研究には金がかかる。そのためにはやりたくもない仕事も、やらなくてはならない」

ハーヴィーが明日海りお演じる精霊エリュたちに人間の世界を教えるために言うセリフだ。

現代日本で働く多くの人が疑問に思いつつ解決できない【理想と現実のジレンマ】でもがきながらその日その日をなんとかこなしていく仕事人間たちの多くが、共感するような場面ではないだろうか。

まさに、身を粉にして働く大人たちにこそ観てほしい作品なのかもしれないと確信した。

ファンタジー要素が強い作品なだけに、好き嫌いは分かれるだろうが、確実に心動かされた男性がいたということをここに書き残しておきたい。




まとめ

今回は問うブログでは異色の(?)需要のないであろう1人の男の感想を書いてきました。

ここまでお読みいただいた方、奇跡です!!

本当にありがとうございましたm(__)m

『シャルム!』の感想もありますが、今日は割愛させていただきます。

もし、「知りたい!」という方がいらっしゃいましたら、続編を書くかもしれません(笑)(たぶんいないでしょう…)

まとめるまでもないかとは思いますが一応…

◆「宝塚は一本物に限る!」というある男が『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』を観劇したら、感動して男泣きしそうだった。

◆『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』のいいところは、大人として過ごす日々の中で、理想と現実のギャップにもがきながら、つい忘れてしまう「希望」や「初心」が自分の心の中に今もあるのかもしれないと気づかせてくれること。

(↑口数の少ない夫はたぶんこういうことが言いたかったんだろうと勝手に推測)

きりん。
きりん。
長々とお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
きりん。
きりん。
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