宝塚をよく知らない人でも【宝塚=お金持ちのお嬢様】というイメージをお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。
宝塚歌劇団の生徒としての第一歩は、養成機関である宝塚音楽学校に合格すること。
では、宝塚音楽学校に合格できるのは、どのような人なのでしょう?
イメージ通り、お金持ちでなければ合格は難しいのでしょうか。
また、残念ながら不合格になってしまった人のその後や受験の経験がある有名人についても見ていきたいと思います。
さっそく始めましょう!
目次
宝塚音楽学校の受験生はお金持ち?
宝塚に入れるのは、お金持ちのお嬢様しか難しい…。
この噂は果たして本当でしょうか。
そもそも、このようなイメージを持つ人が多い理由は何なのでしょう。
1つ言えることは、宝塚歌劇団の歴史に関係があるのではないかと考えています。
宝塚=お金持ちというイメージをもつ理由
宝塚歌劇団は、1913年(大正2年)に宝塚歌唱隊から始まりました。
宝塚市で閉鎖された温泉施設を活用して活動を行うことになりました。
1919年(大正8年)には、宝塚音楽学校の前身となる宝塚音楽歌劇学校という3年制の私立学校が誕生します。
当時、宝塚市をはじめとする神戸、芦屋、西宮などの関西圏には名門校と呼ばれる学校がたくさんありました。
灘・甲陽学院・関西学院などですが、どこも男子校が多く、裕福な家庭のお嬢様たちの進学先は数えるくらいだったようです。
そこで、舞台人として、さらには1人の女性として舞踊や茶道、礼儀などをしっかり教えてくれるという噂が広まり、宝塚音楽歌劇学校に裕福な家のお嬢様たちが花嫁修業の場としても入学するようになったと言われています。
現在でも揺るがないお金持ちのイメージ
時は流れ令和の時代になった現代では、さすがに花嫁修業のために宝塚音楽学校に入学しようと思う生徒はいないでしょう。
しかし、相変わらずお金持ちのお嬢様が入学するというイメージはそう変わっていないように思います。
そこには、宝塚音楽学校へ合格するための並々ならぬ日々が関係していると考えられます。
まず、宝塚音楽学校を合格するために必要なことは・・・
①容姿端麗であること
②舞台人としての素質を持っていること
でしょう。
②の「舞台人としての素質」とは、試験科目であるバレエ、声楽、新曲視唱などの実技で一定のレベルに達していることが最低条件として含まれます。
この基準を満たすために、受験生たちはレッスン漬けの日々を送るのですが、このレッスンにお金がかかります。
地元のバレエ教室や音楽教室に通えばいいわけではありません。
宝塚音楽学校の受験生を対象にした受験スクール(予備校)に通っていなければ、合格することはかなり難しいからです。
しかし、この受験スクールは全国どこにでもあるわけではありません。
主に東京や関西圏が中心ですので、地方在住者はレッスン費用に加え、交通費や宿泊費も必要です。
平日は地元の教室でレッスンを行い、週末や夏休みなどの長期休暇は飛行機や新幹線で受験スクールに通うことは珍しくありません。
本気で合格を目指すためには、通常の習い事の何倍もお金がかかることは事実でしょうから、家族の協力は不可欠ですし、ある程度の経済力が必要です。
入学後、入団後もお金はかかる
さて、晴れて宝塚音楽学校に入学したとしても、お金はかかります。
宝塚音楽学校の入学金、授業料や寮にかかる費用は私立学校と比べて、とんでもなく高いというわけではありません。
ざっと計算すると2年間で200万円くらいでしょう。(寮生活の学生はプラス40万くらい)
「よかった」と安心するのはまだ早い…。
あくまで音楽学校の授業料など最低限かかる金額であって、音楽学校の生徒が休みの日や放課後に通う個人レッスン費などは含まれていません。
さらに、歌劇団の生徒となってからも実家からの援助が不可欠でしょう。
入団7年目までの生徒(下級生)は、給料が一律で比較的安めです。
一般企業と大差ありません。
その中で【清く・正しく・美しく】の教えを守らなくてはいけません。
入団したての生徒は、自分のファンはまだいないかもしれませんが、スターを入り待ち・出待ちするファンたちには常に見られるわけですから、服装や髪型にも気を使う必要があります。
毎日同じ服ばかり着ていては、すぐにSNSに書かれてしまいます・・・。
特に娘役は男役に比べ、持ち出しが多いと言われています。
ヘアケアやアクセサリー、お稽古着など全体的に男役よりお金がかかりますが、宝塚ファンの多くは男役のファンというのが現実です。
スター候補として、下級生時代から多くのファンがつく男役以外は、入団してからも相当なお金が必要になる世界だということは、まず間違いないでしょう。
とはいえ全員が全員、お金持ちのお嬢様ばかりではありません。
お金がかかることは事実ですが、お金だけではどうすることもできない【天性のもの】【目を引く伸びしろ】【隠せないスター性】など、「どうしても宝塚に入ってほしい!」と関係者に思わせるダイヤの原石のような人は必ずいます。
時々スターさんの中にもいる「受験の半年前だけスクールに通った」という人たちです。
宝塚音楽学校は、2年間の教育で宝塚の舞台人になるために必要なことは全て教えるという考えです。
高い技術を持つ人より、磨けば強く光るであろうダイヤの原石を探していることも事実です。
宝塚音楽学校を落ちた人たちのその後
さて、毎年多くの受験生が宝塚音楽学校を受験しますが、合格できるのはほんの一握り。
ここ最近の倍率は、25倍前後が続いています。
受験生の多くが不合格となるのが宝塚音楽学校。
本気で合格を目指し、受験のためにすべてをかけてきた受験生たちの多くが涙を飲む厳しい世界ですね。
そこで気になるのは、宝塚音楽学校を受験して不合格になった人たちのその後です。
一体どのようなその後の人生を送るのでしょうか。
もっとも多いのは【進学】でしょう。
宝塚音楽学校の受験は、15歳から18歳まで最大4回受けることができますが、18歳の受験生たちは、大学進学する人が多いです。
中には、宝塚ではなくても舞台に立ちたいという夢を叶えるために専門学校や海外留学という道を選ぶ人もいます。
仮に宝塚音楽学校は不合格だったとしても、本気で取り組んできた人たちの努力は決して無駄にはなりません。
姿勢の良さ、ハキハキした話し方、美しい表情など、何もしていない同年代と比べるとキラリと輝いているものです。
実際に芸能界の中でも、宝塚音楽学校に受験したことを公表している有名人は大勢います。
宝塚音楽学校に不合格だった有名人
続いては、宝塚音楽学校を受験したものの不合格で、その後有名人になった方たちです。
実際に過去に音楽学校を受験したことを公表されている有名人はかなり少ないのが現実です。
その中で、公表されている方は・・・
◆常盤貴子(女優)
◆瀬戸カトリーヌ(タレント)
◆千堂あきほ(女優)
◆原知佐子(女優)
◆千葉紗子(声優)
◆髙野菜々(女優)
◆三森すず子(声優)
◆前田つばさ(女優)
◆青山郁代(女優)
◆渡邊佐和子(アナウンサー)
◆中島芽生(アナウンサー)
◆惣田紗莉渚(SKE48)
他には、元モーニング娘の高橋愛さんは、実際に受験こそしなかったものの、宝塚に入りたいと考えていた時代があるようです。
芸能界は宝塚ファンの方が大勢いらっしゃいますし、公表していなくても受験経験者や目指していた人は大勢いるでしょう。
まとめ
ここまで宝塚音楽学校に受かる人たちはお金持ちなのかということと、不合格となった人たちのその後について見てきました。
まとめると・・・
◆宝塚=お金持ちというイメージは昔も今もあまり変わっていない。
◆宝塚音楽学校に合格するためには、準備のために受験スクール(予備校)へ通うことが必須条件。
◆受験スクールは東京や関西圏に集中しているため、レッスン費に加え、地方在住者は交通費・宿泊費がかかり通常の習い事より出費は大きい。
◆宝塚音楽学校に入学後や歌劇団に入団後も、個人レッスンや身だしなみにお金がかかる。
◆宝塚音楽学校に不合格だった多くの人は進学するが、中には舞台人、芸能界、留学などの道を選ぶ人もいる。
◆芸能界でも宝塚音楽学校の受験経験者はいるが、公表する人は少ないため、まだまだ多いと考えられる。