花組トップスター・柚香光さんの歌唱力について、あることに気づきました。
わたしが柚香さんの歌唱力に変化を感じたのは、『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』『シャルム!』の観劇時でした。
その内容と柚香さんの表現力の奥深さについて考えてみたいと思います。
さっそく始めましょう!
柚香光が歌がよかった『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』
柚香光さんは、明日海りおさんの後任として次期花組トップスターに就任しますが、多くのファンの共通認識とも言えることと言えば…。
「柚香さんは歌が苦手…。というか下手。(失礼)」
事実、SNS上にはかなり辛辣な意見もあります。
これまで、わたくし、きりん。は柚香さんに対し、
「歌はしかたないとして…、スター性やビジュアル、ダンスなど他の部分で歌唱力を補える部分が多く、次期花組トップとして発表があったときも頷けた」
という意見を持っていました。
しかし、今回『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』を実際に観劇し、これまでの考えを改めました。
そう!歌が上達している!!すごーーーい!!
これは大発見です!!!
これまでにも、下級生時代は歌唱力がなくても、上級生になり歌が得意とまで言われるように成長した生徒もいました。
正直、柚香さんの歌唱力に対しては、「気持ちに対し、実際の成長が追い付いてこないなぁ…」とやきもきしてしていたのですが、ついにキターーーーーー!!!
トップスター就任直前で、ついにその時期がやってきた!
と、久しぶりに想像のはるか上を越えるものに出会えた気持ちでした。
柚香光の歌唱力が上達した理由
「カレーの歌キターーーー!!!」と歓喜した次の瞬間。
ふと思ったのは「なぜ?」という疑問。そりゃ、努力の賜物!?
いや、それならばもっと早い時点で歌唱力が上がっていてもおかしくないはず。
今回の歌唱力が上がったの最大の理由を、わたくし、きりん。はこのように考えました。
①演技力の向上
②雰囲気をまとい、広げられる力
うん、これしかない!
柚香光の演技力
『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』で柚香光さんは、ハーヴィーという植物の研究家を見事演じています。
柚香さんのスター性やビジュアルがあまりいきない、地味なキャラクターです。
仕事一筋で、大人の世界にどっぷりと浸かっている、どこにでもいそうな大人の男。
明日海りおさん演じる【精霊】と【心が大人になりきった仕事人間】という対照的な役どころが、この物語のコントラストをはっきりさせ、非常に効果的です。
そんなハーヴィーを演じる柚香さんの演技で、際立っていたのが「宝塚らしからぬ力の抜けた自然体な演技」
本当に素晴らしかったと思います。
以前、ダンサーとして舞台に立っている知人に、宝塚の芝居について、こんな感想を言われたことがあります。
「食い気味の、前のめりの演技が観ていて疲れる…。ショーは本当にステキだけど、芝居がいただけない…。」と。
この意見には、長年宝塚を観ているわたしでさえ、「おっ、力が入ってるな」と感じる場面が少なくないので、宝塚を観慣れていない人からするとどうしても指摘したくなってしまい気持ちも分かります。
そんな宝塚の中で、今回の柚香さんの演技は、 セリフ、動き、感情表現、どれをとっても 【肩の力が抜けた自然体】のハーヴィーを作り上げていて、驚きました。
「宝塚でもっとこういう芝居が観たい!」
心からそう感じる演技でした。
柚香光の雰囲気をまとう力
演技力とともにもう1つ目を見張ったのは「雰囲気をまとう力」です。
バーヴィーという役を演じながら、『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』という世界観を常にまとっている。
そして、客席にまで広げていく力がある。
この力こそが、「歌が上手くなった!」と思わせた最大の理由だと考えます。
音程をキレイにたどることが上手いのではなく、ミュージカルなのだから、役として、いかにその空気感の中で歌えるか、伝えられるか…。
これこそが、ミュージカル俳優に求められる歌唱力なのだと思っていますが、柚香さんの歌には今回その大切な要素を感じることが出来ました。
舞台と客席という限られた空間を目一杯染め上げる…。
そんな力の持ち主は、宝塚でもそうそういません。
次期トップスターとして花組を背負っていかれる存在なだけに、2番手最後の舞台でこれほど「空間を染め上げる力」をつけられた柚香さんに今度、ますます期待したいと思いました。
まとめ
ここまで『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』の観劇で感じた柚香光さんの歌唱力の変化とその理由について考えてきました。
まとめると・・・
◆柚香光は『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』で歌唱力が向上したように感じた。
◆最大の理由は2つと推測。
①演技力
②雰囲気をまとう力と広げる力
◆ 『A Fairy Taleー青い薔薇の精ー』 での柚香光は、次期トップスターとして、「期待したい!」と思えるようなパフォーマンスだったように感じる。