花組公演『はいからさんが通る』で、ついに宝塚歌劇が再開されましたね!
2日目の舞台は、宝塚史上初の全編ライブ配信が行われ、劇場に行けない全国のファンがPCやTVの前で花組公演を共有することができたしょう。
わたしもライブ配信を楽しんだ1人。
大劇場の幕が画面に映ったときは「宝塚が戻ってきた!」と嬉しかった!
今回は花組公演『はいからさんが通る』のあらすじや感想をまとめていこうと思います。
花組『はいからさんが通る』あらすじ
宝塚版のあらすじを結末までまとめます。
※ネタバレも含みますので、知りたくない方は飛ばしてください。
大和和紀さんによるコミックが原作。
物語の舞台は大正時代の東京。
木刀を握ると敵なしというじゃじゃ馬娘・花村紅緒(華優希)は、ある日、通学中に陸軍少尉の伊集院忍(柚香光)に出会う。
忍をよけきれず自転車は大破し、プンプンの紅緒とは対照的に、物腰柔らかく、どこまでもジェントルマンの忍の姿に怒りがおさまらない紅緒。
しかし、後に忍が自分の許嫁だったと聞かされ、全力で抵抗する紅緒は数々のトラブルを巻き起こす。
伊集院家と花村家の3代前からの悲願であるという結婚話だが、 伊集院家に花嫁修業に出向いた紅緒は 「自分の気持ちはないの?」と忍に詰め寄る。
「結婚してから愛し合えばいい」とさらりとかわす忍の態度に初めは理解不能の紅緒だったが、次第に忍に惹かれはじめる。
紅緒が巻き起こした騒動が原因で忍の上官から小倉へ転属命令を出された忍に代わり、紅緒は花村家を守る決心をする。
時は経ち、忍の隊がシベリア出兵の最前線へ。
シベリアでの戦いで負傷した隊員の鬼島(水美舞斗)をかばおうとして、忍は刺されてしまう。
忍の戦死報告を受けた紅緒だが、「忍さんはどこかで生きている」と信じ、伊集院家を守るため、冗談社というつぶれそうな出版社の門を叩く。
冗談社の編集長は女嫌いで有名な変わり者の青江冬星(瀬戸かずや)は紅緒をバカにするが、ロシア革命を逃れ日本に亡命してきたロシア貴族夫婦のスキャンダルを狙うため、紅緒が取材を行かせる。
そこで出会ったロシア貴族・サーシャ・ミハイロフ侯爵は忍に瓜二つだった…。
動揺する紅緒だが、シベリアから帰還していた鬼島や紅緒を親分と慕う丑五郎(飛龍つかさ)、忍の幼馴染にして紅緒の学友である北小路環(音くり寿)らの協力を得て、サーシャの正体を探る。
サーシャ夫婦の歓迎会に、舞を披露しする芸者一味として潜り込んだ紅緒たちは、サーシャに詰め寄る。
記憶戻った忍は紅緒のことを思い出すが、妻のラリサ(華雅りりか)は「命の恩人」で結核で余命いくばくもない妻を置いていくことはできないと青江に告げる。
紅緒は、作家の原稿を出版社に持ち帰る途中、反政府思想の手紙を所持していたという罪で投獄されていた。
仕組まれたことであったが、仲間たちは紅緒の無実を晴らすため協力する。
紅緒の逮捕を知った忍は、親友の高屋敷要(永久輝せあ)から反政府思想の人間たちのたまり場を教えてもらい、交渉しに行く。
しかし、そこで再び刺されてしまうが、紅緒の逮捕の原因は忍のかつての上官・印念中佐(優波慧)だったことが判明する。
印念中佐の証言で紅緒の無実は晴らされる。
忍とサーシャは別人だと信じていた紅緒は、伊住院家を出て青江と結婚することになった。
しかし、結婚式のさなか大地震が襲い、東京は焼け野原になる。
蘭丸(聖乃あすか)を助けようと炎の中に飛び込む紅緒だったが、足をいため動けなくなり、力つきそうになる。
そんな紅緒の前に忍が現れ、紅緒を助ける。
地震でラリサは忍をかばって亡くなり、紅緒のもとに戻ってあげてというラリサの最後の言葉に後押しされ、忍は紅緒のもとへ戻ってきたのだった。
青江との結婚話は破談となり、紅緒は忍と結ばれる。
花組『はいからさんが通る』感想
続いて『はいからさんが通る』の感想です。
まず感じたのは、小柳先生の演出する作品は素直に「面白い!」ということ。
原作がある作品とはいえ、宝塚との融合が絶妙なセンスで原作ファンも宝塚ファンもどちらも楽しめる作品になっているのではないかと思います。
ただ、1幕はじっくりと物語を丁寧に描かれているのですが、2幕がさすが急展開すぎて原作を読んでいないわたしはついていくのが大変・・・でした。
というか、ついていってない・・・。
1番疑問に思ったのは紅緒と青江が結婚に至った過程があまりにも短すぎて「あんなに伊集院家を守ってたのにいきなり??」とやはり急展開すぎましたね。
シベリアでの忍と鬼島のシーンは「ベルサイユのばら」を観ているのかと思うほど(笑)
オスカルが荒くれ者の集まりである衛兵隊で信頼を得ていった後のフランス革命・・・という流れに酷似していたかと思うと、鬼島が突然アンドレに見えてきたり・・・。
とはいえ、わたしにとって忍と鬼島のシーンはとても好きだったので、否定的な気持ちはまったくありません。
柚香さんと水美さんのシーンは、やっぱり観ていて嬉しいんですよね。
「トップお披露目がなぜ再演?」という声があったことも事実ですが、ふたを開けてみれば、わたし自身はお披露目公演が『はいからさんが通る』でよかったのではないかと思いました。
柚香さんの包容力と柔らかさをまとった演技には惹きつけられましたし、華優希さんとの並びもまさに劇画そのもので、お似合いのコンビに成長していくのではないかと期待できる要素が多々ありました。
歌唱力については、『A Fairy Tale』で向上したのかな?と感じましたが、今の公演では「あぁ…、元に戻ってる???」と思わなくもないですね。
ただ、柚香さんの豊かな感情表現で「語るように歌う」ことでどうにかカバーできないものかと考えてみたりするのですが、どうなるでしょう。
いずれにせよ、華さんとともにどうにか乗り越えていってほしいと思います。
そして、柚香さんが率いる新生花組の率直な感想は「これからが楽しみ!」
やはり、柚香さんの圧倒的なスター性と周りを固める実力派で構成されている考えられた人事だと感じます。
さらに、今後の花組の構図もかなり鮮明に見えてきたのではないでしょうか。
『はいからさんが通る』から見る花組の今後
『はいからさんが通る』で注目すべき点は、新しい花組になり、今後がどうなっいていくのかということではないでしょうか。
わたしが注目していたのは、瀬戸かずやさん、水美舞斗さん、永久輝せあさん、聖乃あすかさんの4人が「どのようなポジショニングなのか」ということ。
番手や階段降りの順番だけでは見えない「劇団側の本心」とでもいいましょうか。
真っ先に感じたことは2つ。
1つ目は「聖乃あすかさんの大躍進」です。
もちろん、明日海さんの時代から新人公演主演を複数経験し、『A Fairy Tale』での役もこれ以上ないほど将来有望というかんじでしたので、柚香さん体制になり、さらに目立つポジションにつくことは想像していましたが、「かなりのハイペースで上に来そうだな」と感じます。
2つ目は「花組へ組替え後初の本公演である永久輝せあさん」
将来のトップスターはほぼ確約されているとはいえ、近い将来に正3番手、そして2番手として順当に上がっていくであろう道筋が見えたというか想像しやすい状態でしたので、私の勝手な予想ではありますが、以前から考えていた「少し先の花組」について大きな変更点は、いまのところありません。
ただ、飛龍つかささんの存在も気になるところです。
『はいからさんが通る』では、紅緒を親分と慕う牛五郎役で出番も多く、これまで以上に活躍の機会が増えそうに思います。
スターの宝庫となりそうな予感がしますが、このまま全員が花組に留まるという可能性は少ないように感じます。
代々、花組出身のスターたちが他の組で活躍するという構図がよくありますので、飛龍さんか聖乃さんがどこかで組替えという可能性もるのではないでしょうか。
また、歌唱力のある娘役さんが多いことが嬉しいです。
柚香さん、水美さんの影響でダンスレベルが向上していくと考えられますし、明日海さんのDNAを受け継ぐ花組生ですから、演技にもストイックでしょうから、花組のレベルがさらに向上していくのではないかと期待しています。
まとめ
ここまで『はいかさんが通る』の感想や花組の今後について考えてきました。
◆新トップ・柚香光のお披露目公演『はいからさんが通る』で4か月ぶりに宝塚大劇場の幕が開いた。
◆『はいからさんが通る』は2幕がかなりのハイスピードで物語が展開されていくため、ついていけない部分もあったが、全体的には非常に楽しめる作品。
◆注目すべき点だった花組の主要メンバーのポジショニングだが、花組は次々スターが出てくる印象を受ける。
◆将来的には飛龍つかさや聖乃あすかの組替えも考えられる?